香りで清める仏教の習慣の歴史や意味
2017年04月06日
日本ではお葬式の時に焼香を行いますが、もともとは仏教から来ている習慣で、仏教の誕生は釈迦からですが、古代のインドということは、よく知られています。インドというと暑い国ですが、暑いということで、室内の臭いや衛生環境が悪くなりがちです。
日本の夏の様子をイメージしてみればわかります。そのため、臭いを消したり、衛生環境を良くするために、室内に香りを漂わせて、生活するという習慣がありました。仏教が伝来すると、それらの習慣も一緒に輸入されたということで、仏教では焼香が行われているひとつの理由でもあります。
また、良い香りは、日常生活でも、心地よい気分にさせてくれます。例えばハーブの香りや、香道などの楽しみ方もあります。それはそのまま、旅立った人へ気遣いとしての配慮にもなります。会うことができないので、香りだけでも楽しんでほしい、心を静める役に立ててほしいという、生きている人から旅立った人への配慮にもなります。そして、仏教ですので、穢れと清めという考え方もあります。神道の影響もあるでしょうが、日本人は穢れを嫌います。その穢れを清めるための方法として、清い香りをまとわせて、旅立ってもらいたいという理由もあります。それらの様々な理由から、清い香りを捧げるということで、祭壇の前で焼香をするという習慣に繋がったようです。送る側としても、乱れた穢れた状態で送るのは心情的に我慢ができません。できるだけのことをして清めたいという気持ちは持ちます。その意味からも歴史的に必要な習慣ということが理解できます。
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