法然が宗祖とされる、浄土宗における焼香の流儀
浄土宗(別名・浄土専念宗)は承安5年(西暦1175年)に、阿弥陀仏を本尊とする仏教流派です。この一派は法然が始祖となっており、法然上人が作成されたとされる、「月かげのいたらぬさとはなけれども、ながむるひとの心にぞすむ」は仏教徒にとっては著名なものとなっています。
始祖の法然上人は、長承2年(西暦1133年)の4月7日に美作国久米(現在の岡山県・久米郡久米南町)で出生され、出生された場所は寺院となっています。これは、法然上人の宗派に属する信者であれば、多くの人が知っている知識となっています。
法然上人には弟子が何人かおり、その中の一人が親鸞聖人とされています。 滋賀県大津市の比叡山にて、法然上人は天台宗(中国が発祥とされており、鑑真が密接に関係している仏教一派です)の教学を学ばれたそうであり、都だけでなく武士や庶民にも伝わった宗教一派となっています。また、法然上人は、女性に対しても布教をされたそうであり、庶民を救済するための人情的な面を見せた宗教家としても知られています。この宗派の教えは、基本的には専修念仏とされています。
そのため、浄土専念宗ともいわれています。 因みに、宗教においては、焼香(焚香)の仕方に関して、宗派によって流儀が異なるとされています。焚香とは、仏の巧徳を称えたり、逝去された故人に対して敬意を表し、仏前において香を焚く作法です。
仏教においては、香は始祖の釈迦に対して食物とみなされており、死者を祀る厳粛な儀式とされる葬儀時だけでなく、法事をする際にも故人を供養するために行われます。焚香は、人の心身の穢れを除くと仏教で考えられており、正常な心身を保つための作法とされています。焚香には、立礼(遺族や会葬者が、遺影の前に立った状態で、順次行う場合)と座礼(遺影の前に正座して行う場合)並びに回し焚香(正座した状態で並んだ上で、香炉を隣の人に移しながら行う場合)が在ります。
焚香の仕方は、左手に数珠を持ち、右手の薬指と小指以外の三本の指で抹香を軽く摘み、香炉に落とすのが基本となっています。香炉の少し上の辺りで落とすのが基本的な礼儀となっており、心を込めて行わなければなりません。なお、浄土専念宗においては、焚香の回数に関しては定めは設けられていないそうです。
香をつまんだ右手の下に、左手を添えて額に頂くのが特徴的となっています。 なお、焚香は、キリスト教の福音派においては異教徒の偶像崇拝をするとして、これ自体が禁じられています。因みに、法然上人の弟子の親鸞聖人の宗派とされる浄土真宗においては、焚香は1回で済ませるのが礼儀となっています。
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